詐欺を秒で撃退する私

2025/10/27

荒木建策(放送作家/脚本家)

先週、080から始まる
見知らぬ番号から電話があった。
いつもは知らない番号からの
着信には出ないのだが、
そのときは何となしに出てみたのである。

「荒木さんの携帯でしょうか?」
「はい」
「荒木さんの携帯ですか!?」
「そうですが」

そっちから掛けてきたくせに、
何故か驚いたような反応。
そして、明らかな関西訛り。

「こちら京都県警のものですが」
「県!?」
「あ、府警のものですが」
「はあ」
「捜査協力をお願いしたく…」
「はあ」
「今、少しお時間大丈夫ですか?」
「はあ」

この時点で詐欺が濃厚だと判断。
そもそも、個人の携帯から
警察の人間が一般人へ掛けることなんて
あるのだろうか?

50代後半かと思われる男は続ける。

「今から1時間くらい大丈夫ですか?」
「…いや、無理っすね」

平日の真昼間。
この男、何考えてんだ?
そう思う間もなく男は返す。

「そうですよね!
じゃ、また後日掛け直します」
「いつ掛けてこられても、
1時間は無理ですけどね。
あと、掛けてくるなら
下4桁が0110で終わる番号から
掛けてきてください」

私がそう言うと、
男は、二つ返事の後
そそくさと電話を切った。

詐欺確定。

想像するに、
何かのリストから電話を掛けてきて、
高齢者ではなかったため早々に諦めたのかと。

気になるというか心残りなのは、
私の番号をどんな方法で入手したのかを
聞き出せなかったこと。
また、少し泳がせてみたら、
どんな事件に協力させられる流れになったのか、
という好奇心を満たせなかったことである。

ま、結局、お金を振り込ませる流れには
なったのだろうと思います。

それでは、最後に
注意喚起のために電話番号を晒します。

080-2108-4498