騒音問題
2025/11/10
荒木建策(放送作家/脚本家)
私は今、長崎の母が借りている
マンションに宿泊しているのだが、
連日、騒音に悩まされているのである。
「数日泊まったら、こんな家には居られんって言うよ」
とは、初日の母のひと言。
どういうことかというと、
下の階の子どもが
部屋中を所狭しと走り回る音が、
最上階のこの部屋にも響いてくるのである。
朝は7時くらいから、
夜は9時20分ほどまで。
決して広いとは言い難い部屋を、
犬か猫のように子どもが走り回っているのである。
最近、その騒音に我慢ならず、
普段は虫も殺さぬ温厚な母が
釘バットを担いで怒鳴りこみにいったそうで、
その時は階下の住人は平謝り。
しばらくの間は、
クソ餓鬼による騒音はなくなったそうだが、
ここに来て復活。
実際に体験してみると
シンプルな殺意を抱いている自分がいた。
多分、障害児で、
多動性なんとかのような症状なのではと
推測してみたものの、
実際のところどうなのだろうと
モヤモヤしている。
思ってみると、
私の住むビルも音に対しては無防備だ。
構造上の問題か、
階段を駆け下りたり駆け上ったりしようものなら、
モトリークルーがドラムソロでも
おっ始めたのかと錯覚するほどの音が
鉄筋を伝わって聞こえてくるものの、
怒鳴りこむどころか、
今までそれを不快に感じたことは皆無。
むしろ「何やら焦っていやがるな」と、
ひとりニヤニヤしてしまうのは、
私が極度に我慢強いからでも、
どうしようもない変態だからでもなく、
その人との関係が良好であるからに他ならない。
つまり、全ては相手次第。
相手との関係性によって、
ただの音が騒音にもなれば、
笑みを誘うBGMにもなるというわけだ。
だが、そんな私でも、
過去に隣人が出す騒音に耐え切れず、
文句を言ったことが一度だけある。
隣の住人がヘビースモーカーで、
毎朝、毎晩、ベランダに出て喫煙していたあの時。
匂いや咳き込む音、窓の開閉音、
その全てが嫌で、
ある日、ベランダに出ている彼に言った。
「テメー、うるせーんだよ!出てこいや!」
出てきた彼に、
パンツ一丁で怒鳴り散らしたら、
次の日から人が生活しているのか
分からないくらい静かになった。
若き頃の思い出、とみせかけて本当は去年の話。
私は今、長崎の母が借りている
マンションに宿泊しているのだが、
連日、騒音に悩まされているのである。
「数日泊まったら、こんな家には居られんって言うよ」
とは、初日の母のひと言。
どういうことかというと、
下の階の子どもが
部屋中を所狭しと走り回る音が、
最上階のこの部屋にも響いてくるのである。
朝は7時くらいから、
夜は9時20分ほどまで。
決して広いとは言い難い部屋を、
犬か猫のように子どもが走り回っているのである。
最近、その騒音に我慢ならず、
普段は虫も殺さぬ温厚な母が
釘バットを担いで怒鳴りこみにいったそうで、
その時は階下の住人は平謝り。
しばらくの間は、
クソ餓鬼による騒音はなくなったそうだが、
ここに来て復活。
実際に体験してみると
シンプルな殺意を抱いている自分がいた。
多分、障害児で、
多動性なんとかのような症状なのではと
推測してみたものの、
実際のところどうなのだろうと
モヤモヤしている。
思ってみると、
私の住むビルも音に対しては無防備だ。
構造上の問題か、
階段を駆け下りたり駆け上ったりしようものなら、
モトリークルーがドラムソロでも
おっ始めたのかと錯覚するほどの音が
鉄筋を伝わって聞こえてくるものの、
怒鳴りこむどころか、
今までそれを不快に感じたことは皆無。
むしろ「何やら焦っていやがるな」と、
ひとりニヤニヤしてしまうのは、
私が極度に我慢強いからでも、
どうしようもない変態だからでもなく、
その人との関係が良好であるからに他ならない。
つまり、全ては相手次第。
相手との関係性によって、
ただの音が騒音にもなれば、
笑みを誘うBGMにもなるというわけだ。
だが、そんな私でも、
過去に隣人が出す騒音に耐え切れず、
文句を言ったことが一度だけある。
隣の住人がヘビースモーカーで、
毎朝、毎晩、ベランダに出て喫煙していたあの時。
匂いや咳き込む音、窓の開閉音、
その全てが嫌で、
ある日、ベランダに出ている彼に言った。
「テメー、うるせーんだよ!出てこいや!」
出てきた彼に、
パンツ一丁で怒鳴り散らしたら、
次の日から人が生活しているのか
分からないくらい静かになった。
若き頃の思い出、とみせかけて本当は去年の話。